【銀行&信金の仕事に悩んでいる方へ】筆者が信用金庫を辞めた理由

転職について考えるビジネスマンのイラスト
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本ブログでは、銀行や信用金庫の仕事に悩み、転職を考えている方への情報発信をしています。

この記事では、完全に主観で、筆者が信用金庫を辞めた理由について触れていきます。

「こんな風に辞める人もいるんだな」程度の参考になれば幸いです。

僕(@koumablog)は令和3年に10年勤めた信用金庫を辞めて、ほぼ毎日定時上がりのホワイト企業に転職しました。

本当に平凡な職員でしたが、思い切って転職した結果、やりたい仕事や自分の時間を手に入れることができて充実した生活を送っています。

転職後の会社では「経理」と「採用関係」を担当しています。

  • 信用金庫に10年間勤務し、実際に転職した経験があること
  • 今の仕事で中途採用に携わり、企業側の目線からも話ができること
  • 今の仕事で様々な人材会社から最新の情報を聞いていること

これらの経験をもとに情報をお届けしますので、きっとあなたのお役に立てると思います!

目次

なんとなく入庫した信用金庫

お金のことで納得するビジネスマンのイラスト

プツンと糸が切れた。

まさにこの感覚がピッタリだった。

2020年6月のことだ。

翌年2021年の3月、僕は信用金庫を辞めた。




そもそも地元の信用金庫に入庫したのも明確な目的や、志望理由があったわけではなかった。

筆者

「名前知ってる…なんか安定してそう…」


なんとなくだ。完全に。

そんな自分が十数年後に別会社で採用担当として学生に就活についてアドバイスなんかしているんだから、世の中どうなるか分からない。

僕が入庫したのはリーマンショックの直後。地方の田舎といえども影響はあり、不景気のピークでの入庫だった。

金融円滑化法の施行もあり、信用金庫の立場は弱かったように思う。「条件変更」という知らない単語が頻繁に聞こえた。

最初は雑務ばかりさせられた。

教育係のお姉さんは、仕事中にも関わらず向かいの席でよく雑誌を読んで笑っていた。

そのうち、よく分からないまま稟議書なるものを作成させられたりもした。

教育係のお姉さんは、仕事中にも関わらず向かいの席でよく雑誌を読んで笑っていた。

ただ、なんとなく毎日を過ごしていた。

営業への配置転換

スケジュールに追われるサラリーマンのイラスト

1年目の2月というなんとも半端な時期に、突然営業への配置転換が決まった。

というのも、前任の担当者だった先輩が飛んだ(突然来なくなった)のだ。

何も分からないまま、役席から地図を渡される。

役席

「とりあえずこの色塗ってあるところ、全部集金ね」

筆者

「あ、はい(色だらけじゃん)」

何も分からないまま、お客様のところへ行く。

お客様からは当然「あら、〇〇さん(飛んだ先輩)は?」と聞かれる。

「実は体調不良で長期休暇に…」

引継ぎも何もないところから、営業の経験は始まった。

この仕事、いいかも

名刺交換するビジネスマンのイラスト

仕事への印象を変えてくれたのは、ある会社の社長だった。

社長

「運転資金調達したいんだけど、頼める?」

今振り返れば、単なる運転資金の融資。内容も保証協会付の制度資金。それ以上でも以下でもない。

初めての融資案件に戸惑いながらも、先輩たち(飛んでない)の力を借りながら、何とか実行に漕ぎつけた。

融資実行後、社長からこう言われた。

社長

「助かったよ!ありがとう!」

ただのお礼。

けど、なんとなく入った信用金庫でなんとなく仕事をしていた僕に、その言葉はとても響いた。


誰かの役に立てる仕事を、している。

そう感じた。嬉しかった。

この一言で、仕事に対しての姿勢が変わった。
きっかけが融資案件だったということもあり、特に事業性融資が好きになり、のめり込んでいった。

やりたくない業務もあった(クレジットカードやカードローンや年金や貸金庫や預金先数や…)

でも、誰かの役に立てる仕事が確かにある。

そう思うと頑張れた。

迫ってくる不安

陰口を言われるビジネスマン

入庫して8年が経った。

立場は管理職になっていた。

一般職とは違う景色での仕事。大変だったけど新鮮だった。

営業の役席としてチームをまとめた(とドヤ顔で言いたいが、新米の管理職を部下が助けてくれただけ)。
店舗の目標を一丸となって達成した時は、何とも言えず嬉しかったことを覚えている。

一方で、見たくないものまで見えてくるのが管理職だ。

1つは、会社の業績。

管理職になると、会社全体の業績も見るようになる。
(一般職の頃から見とけという話だが)

金庫全体の業績は、明らかな右肩下がりになっていた。

他行競合による金利の低下。
貸出先数の減少。
預かり資産販売先の飽和。

収益が落ちていくのは当然だ。

利益の大半は貸倒引当金の戻りや運用していた投信の売却益などだった。

今後も改善する予想のつかない業況は、僕をなんとなく不安な気持ちにさせた。

そしてもう1つは、派閥。

僕がいた信用金庫は無駄に役員が多く、それに応じて派閥も多かった。

派閥争いは部署同士の不仲に繋がり、そのせいで仕事がうまく回らないことも多々あった。

派閥というものに僕は一切興味が無かった。むしろ毛嫌いしていた。しかし、周りから聞けば

「〇〇(僕)はあの支店長と長く仕事をしていた。ということは××の派閥だ!」

などという理由で勝手に派閥に入れられ、別の派閥から勝手に敵対視されていたりもしたそうだ。

本当に面倒だった。派閥なんていらない。

「みんなでおててつないでゴール!全員1等賞!」は本来小学生がやるべきものではない。大人がやるべきもんだ。

そんなこんなで、仕事にやりがいを感じながらも、業績の低下や身内同士での足の引っ張り合いなど、見たくないものが次々に見えてきたのであった。

この頃には、同期はすでに半分になっていた。

辞めた同期は、公務員になったり、他の会社に転職したり。

職を変えることが全く頭に無いわけではなかった。

ただ、妻や子供もいる環境の中、転職をする勇気は僕には無かった。

状況が一変

悩むサラリーマンのイラスト

2020年。

日本にコロナウイルスという未曽有の恐怖が上陸。

今でこそ感染者が多発し、「恐怖」という感覚ではなくなっているコロナだが、当時はめちゃくちゃ怖かった。

なんというか、キングボンビーのBGMが似合う空気感だった。

最初はどこか他人事だったが、僕が住んでいる田舎でも初の感染者が出現し、状況は一変する。

いつ、どこで感染するか分からない。そんな不安を全員が抱えていた。
しかし、そんな不安を抱えながら、僕たちはお客様の所を訪問せざるを得なかった。

新型コロナウイルス感染症特別資金。
いわゆる「ゼロゼロ融資」のセールス&対応である。

信用金庫のメイン取引先は中小零細企業や個人商店。コロナの影響は決して小さくなく、申込が殺到した。
また、他行より先に情報提供しなければいけないので、感染リスクを抱えながら訪問&面談を重ねた。

そのうち、取引先にも感染者が発生した。ウイルスの恐怖が間近に迫る。

それでも、訪問や面談は続いた。

不安を抱えながらの面談。
そして大量の案件処理。
残業。


明らかに職員は疲弊していた。それでもみんな頑張っていた。顧客のために。

そんな状況が続く2020年6月。
1通の社内通達が流れた。そこにはこう記載されていた。



“この度、役員の増員および各役員の定年延長を決定した。”


全く理解できない内容。頭がフリーズする。

そもそも、僕が在籍していた信金の役員の人数は多かった(シェアがうちより高い地銀の役員数の2倍)。
そして役員としての業務も極めて少ないように見えた(実際少なかったと思う)。

それを増員する。
さらに各役員の定年を延長する。
役員報酬は維持。

コロナで頭がおかしくなったのか?

上層部の保身。

役員報酬は上がる。

財源は、今職員が不安を抱えながら必死で手続きしている融資の利息収入。

プツンと糸が切れた。


そこから本気で転職を考え、たまたま良い会社に出会い、決意してから半年ほどで信用金庫を辞めた。

周りからは散々止められた。

「なんで辞めるんだ?もったいない…」
「他の会社はこんなに甘くないぞ」
「転職して通用するのか?」

色々と言われた。
全員信用金庫から外に出たことのない人たちだ。

ほとんどの意見は無視した。
お世話になった上司から涙ぐみながら止められたときは、少し悩んだけど。


僕はTwitterで転職に関して情報発信をしている。転職に関するブログも書いている。そこではこんなことを書いている。

転職は、まず軸を決めてから行うべき
まず自己分析し、強みを客観的に見つけよう
勢いだけの転職は良くない


いや、これは正しいと思っている。

ただ、白状したい。

転職を決めたとき、僕が思っていることは1つだけだった。

後悔するような人生を過ごしたくない

この1点のみ。
軸も強みもクソもない。勢いだけ。

とても正しい考えとは言えない、と思う。
正しいと言えないどころか、完全に間違っている。

でも、勢いで行動に移せたことを清々しく思う自分がいる。
行動してよかったと思う自分がいる。
あのまま気持ちを押し殺していたら、まだ後悔していたから。


糸が切れてよかった。


おわりに

前向きに走り出すビジネスマンのイラスト

以前、この記事に書いた経験をツイートした。


ありがたいことに、多くの共感をいただいた。
きっと、誰もが少なからず似たような思いを持ったことがあるのだろうと感じた。

この記事を最後まで読んでくれたあなた。

あなたは後悔するような人生を過ごしていませんか?

もし今、後悔の念でモヤモヤしているのなら、そこに立ち止まったままでいるのはもったいない。

あなたの人生はまだ長い。後悔しながら過ごすにはあまりにも。

少し行動してみれば、何か変わるかもしれません。

それは決して転職だけではない。

副業だったり、起業だったり、もしかしたら今の仕事をさらに頑張ることかもしれない。

でも恐らく確かなのは、自分から行動しないと何も変わらないということ。

新しく行動することは億劫だし、憂鬱になると思う。

でも大丈夫。

だって、こんな平凡な僕が転職しても、普通にやっていけているんです。

あなたにできないはずがない。大丈夫。

この記事を読んでくれたあなたの心が少しでも動いてくれること、そして後悔のない人生を過ごされることを、心から願っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

転職について考えるビジネスマンのイラスト

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