信用金庫に将来性ってある?
潰れることってあるの?
将来性が無かったらどうしたらいいの?
こんなお悩みを解決します。
- 信用金庫の現状が具体的な数字で分かる
- 信用金庫の将来性が分かる
- 今後、どう行動すればいいかが分かる
僕(@koumablog)は令和3年に10年勤めた信用金庫を辞めて、ほぼ毎日定時上がりのホワイト企業に転職しました。
本当に平凡な職員でしたが、思い切って転職した結果、やりたい仕事や自分の時間を手に入れることができて充実した生活を送っています。
転職後の会社では「経理」と「採用関係」を担当しています。
- 信用金庫に10年間勤務し、実際に転職した経験があること
- 今の仕事で中途採用に携わり、企業側の目線からも話ができること
- 今の仕事で様々な人材会社から最新の情報を聞いていること
これらの経験をもとに情報をお届けしますので、きっとあなたのお役に立てると思います!
結論、信用金庫の将来性は無いと言えます。
理由としては
- 顧客数、職員数が減少し続けていること
- 利益も年々減少し続けていること
- 将来性に不安を感じる点がいくつもあること
など。
また、今後の行動については
- 信用金庫の良い部分に注目して働き続ける
- 転職活動をして選択肢を増やす
の2つがオススメ。
それでは、詳しく解説していきます!
信用金庫の現状を具体的な数字で見る
この記事では、信用金庫の現状を
- 各数値(顧客数、職員数、利益など)の推移
- 信用金庫の平均給与
の2点に分けて見ていきます。
主要な数字(各数値)は全体的に減少している
実際に信用金庫全体の業績や職員数、利益はどのように推移しているのでしょうか?
信金中央金庫の公的資料をもとに、約10年前と2021年のデータを比較しました。
項目 | 2011年 | 2021年 | 差額 |
---|---|---|---|
金庫数 | 271 | 254 | -17 |
店舗数 | 7584 | 7181 | -403 |
会員数(人) | 9,318,325 | 9,094,466 | -223,859 |
職員数(人) | 113,702 | 101,002 | -12,700 |
預金(億円) | 1,197,465 | 1,555,959 | +358,494 |
貸出金(億円) | 637,550 | 784,373 | +146,823 |
業務純益(億円) | 6,025 | 3,670 | -2,355 |
※各数値は信金中央金庫「全国信用金庫概況」より引用
主な理由もつけてまとめると、
- 金庫数は合併などにより17金庫減少
- 店舗数は合併や統廃合により約400店舗減少
- 顧客数(会員数)は若年層の顧客獲得ができておらず約22万人減少
- 預金はコロナ関連の借入金をそのままプールしてある企業が増えたため約36兆円増加
- 貸出金はコロナ関連の貸出金が増加したため約15兆円増加
- 業務純益は貸出金の金利低下などの要因により約2,400億円減少
預金と貸出金はコロナの影響により増えていますが、それ以外の項目は減少しています。
貸出金が増えているのに業務純益が減っているのが、信金業界の収益悪化を物語っていますね…
信用金庫の給与は平均的だが今後に注意
景気が悪いのは分かったけど、1番大事なのは給与じゃない?
確かに給与は気になりますよね。
調べたところ、信用金庫の年収の平均は
男性424万円、女性324万円でした。
出典:doda 平均年収ランキング(96業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】
https://doda.jp/guide/heikin/gyousyu/
2020年度の日本の平均年収は436万円(男性540万円、女性296万円)。
平均年収ギリギリといったところでしょうか。
ただ、信用金庫は一般的に年収の中の賞与の割合が高めです。
賞与の支給額は業績によって大きく変動するもの。
収益が減少するにつれて、徐々に賞与が減少していく可能性はあるので注意が必要です。
信用金庫の将来性が無い理由
結局信用金庫の将来ってどうなの?
結論、将来性は無いと言えます。
理由は以下の通りです。
- メイン顧客層が高齢者
- 企業数の減少
- 貸出金利が下がり続けている
- ネット銀行の利用拡大
- スピード感が無い
順番に解説していきます。
メイン顧客層が高齢者
信用金庫のメインの個人顧客層は「60歳以上」の高齢者です。
20代などの若年層の顧客は、信用金庫よりもネット銀行やメガバンク、地元の銀行との取引を選ぶため、なかなか信金に取り込めないのが現状です。
僕は信用金庫時代は渉外(営業)の仕事をしていましたが、30代以下のお客様と会う日の方が少なかったです笑
若年層を取り込めていない信用金庫の顧客は減少の一途を辿っています。
2011年会員数 9,318,325人
2021年会員数 9,094,466人
➡ 223,859人減少
すごい勢いで減っていますよね。
顧客数が減れば、融資や他商品の提案ができる先が減るので、当然収益も落ち込みます。
若年層の顧客を取り込めない限り、信用金庫の収益が改善するとは考えにくいのです。
企業数の減少
個人顧客が減ってきたなら、企業との取引を増やせばいいじゃないか!
という意見もありそうですが、残念ながら企業の数も年々減少しています。
出典: 第1節 企業数の変化と開廃業の動向 中小企業庁
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2020/chusho/b1_3_1.html
1999年小規模企業者数 422.9万社
2016年小規模企業者数 304.8万社
➡ 118.1万社減少
信用金庫のターゲット層である「小規模企業者」がすごい勢いで減少しています。
企業数が減少すれば、融資する先も減少するので、当然収益は上がらなくなってしまいます。
また、一般的に信用金庫は、
- 地元企業の景気が良ければ一緒に業績が良くなる
- 地元企業の景気が悪ければ一緒に業績が悪くなる
という傾向が間違いなくあります。
コロナウイルスの影響も重なり、企業の景気は、とても「良い」とは言えません。
今は全体的な不況が続いており、収益が上がる要素が見当たりません。
貸出金利が下がり続けている
日本の貸出金利は年々低下しています。
出典:地域・中小企業研究所ニュース&トピックス 信金中央金庫
https://www.scbri.jp/PDFnews&topics/20200805.pdf
既存の取引先への貸出平均金利
2000年 3.000%
2020年 1.469%
➡ 1.531%低下
新規の取引先への貸出平均金利
2000年 1.600%
2020年 1.076%
➡ 0.524%低下
銀行よりは高いですが、どんぐりの背比べで、どこも相当低いです。
実際には1.0%を下回る融資商品も非常に多いのが現状ですね。
実際に信用金庫に在籍していたから分かるんですが、1.0%程度の金利収入では固定費を全くまかなえず赤字です。
低金利の状況は今後も続くと予想されており、さらに赤字が拡大していくと思われます。
ネット銀行の利用拡大
最近では、ネット経由で利用できる銀行がどんどん増えていますよね。
- 楽天銀行
- PayPay銀行
- 住信SBIネット銀行
など、増加する一方です。
今、若年層でこれらのネット銀行を一切利用していない人はいるでしょうか?
恐らくほとんどいないと思います。
それくらいネット銀行の利用は当たり前になっています。
実際、ネット銀行を利用した方が
- ネットで何でも手続きができて便利
- 振込などの各種手数料が安い
- 預金の金利が比較的高い
- 借入の金利が比較的低い
などメリットだらけなんですよね。
手続きは面倒だし、預金の金利は安いし、借入の金利は高いけど、信用金庫と取引しよう!
という人はまずいないでしょう。
「今から新しく信用金庫を利用し始める人が増えて信用金庫の顧客が増える」という将来は、ほぼありえません。
スピード感が無い
信用金庫は一般的に超保守的な会社です。
何か変化を起こそうにも、かなりの人数の承認が必要になるし時間がかかります。
そして(これは経験則ですが)最終的に上層部で却下されることが多いです。笑
恐らく、近年のデジタル化やIoTにスピーディに順応している信用金庫はかなり少数派なのではないでしょうか?
スピード感を持って変化に対応できない企業に将来性があるはずがありません。
ちなみに僕が勤めていた信用金庫では、2021年時点で
- ウイルス感染を避けるため、本部職員しかネットに接続ができない
- そもそも職員全員分のパソコンが無い
- 顧客との癒着を避けるため、業務中は会社支給のガラケーのみ使用可(当然ネットは繋がらない)
- 個人情報流出を恐れて、職員のメールアドレスは保有禁止(書類の受渡しは必ず訪問して行う)
という超絶アナログっぷりでした。
今後、どう行動すればよいか
信用金庫の将来性が無いならこれからどうすればいいの!?
結論、取るべき行動は2つです。
- 信用金庫の良い部分に注目して働き続ける
- 転職活動をして選択肢を増やす
信用金庫の良い部分に注目して、働き続ける
将来性が無いと言っていますが、信用金庫には良いところもあります。
- 社会的信用度が高い
- 休暇・福利厚生が整っている
- 誰かに直接貢献できる
- 多くの経営者から話が聞ける
あなたが仕事を続ける上でこれらに魅力を感じているなら、信用金庫での仕事を続けるべきです。
信用金庫で働く魅力やメリットについてはこちらの記事を参考にしてください。
≫信用金庫の仕事がつらいときに振り返る4つの働く魅力やメリットを解説!
転職活動をして選択肢を増やす
上記の良い部分に魅力を感じないのであれば、転職を本気で考えるべきです。
また、信用金庫に魅力を感じている人であっても、選択肢を増やすために転職活動をするのは大いにアリだと思います。
転職なんてそう簡単に決められないよ!!
というあなた。
本当によく分かります。
僕も「信用金庫に将来は無いのは分かってるけど、転職するのは怖いなー…」とずっと思ってました。
でも、周りは次々と転職しているのが現状なんです。
出典:増加傾向が続く転職者の状況 総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/roudou/topics/topi1230.html
グラフの通り、2019年時点で351万人が転職をしています。
さらに、金融業界からの転職は特に増えています。
出典:【銀行・証券業界】2021年転職市場の展望 リクルートエージェント
https://www.r-agent.com/guide/article9460/
これは金融業界からの「同業種、異業種への転職者数」を表したグラフです。
金融業界からの転職は、6年目の約3倍。
もう転職を考えることは何も大げさなことではありません。
でも、信金からの転職なんて簡単にできるの?
実は、転職を考えるにあたって信用金庫からの転職は非常に有利なんです!
なぜなら、信用金庫の経験で得たスキルは他業種でも活かせるものが多いから。
- 営業力
- 財務、会計力
- 文書作成力 など
これらのスキルは汎用性が高く、どの業界・業種に転職しても重宝するものばかりです。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
≫信用金庫からの転職はしやすい!意外な理由と転職後も使える5つのスキルを解説!
幅広いスキルを持ったあなたを「採用したい」と考えている企業は必ずあります。
- 自分にどんな市場価値があるのか
- 自分を求めてくれる企業はどんな企業なのか
を把握しておくだけで、今の仕事にも必ずプラスになります。
自分はいつでも転職できる!
という自信が付くだけで、仕事への向き合い方は変わります。劇的に。
転職活動をするなら転職サイト&転職エージェントを活用しよう
転職しやすいのは分かったけど、どうやって転職すればいいの?
というあなたには、「転職サイト」または「転職エージェント」へ相談してみることをオススメします。
特に転職エージェントは、
- 無料で相談できる
- プロのアドバイザーがあなたにマッチした企業を選んでくれる
- 自分の市場価値が分かる
- 給与アップの交渉など言いにくいことも代行してくれる
など、メリットが本当に大きいです。
無料でも、いざ相談したらお金がかかったり絶対に転職しないといけなくなるんでしょ?
と思うかもしれませんが、
- 利用は最後まで完全に無料
- 相談した結果、「転職しない」という選択をしてもOK
です!
僕は転職することを選択しましたが、
相談して、「やっぱり今の会社のままがいい」と判断する人も、とても多いです。
今の会社で働かないといけない…
という姿勢で働くのと
色々選択肢があった結果、今の会社で働く!
という姿勢で働く。
結果は同じ「今の会社で働く」ですが、意味合いが全く違います。
取るべきスタンスはどちらがいいですか?
圧倒的に後者ですよね。
ぜひ、選択肢を広げて後悔のない社会人生活を送りましょう!
もし興味がある方は
- 僕自身が転職エージェントを利用した実体験
- 今の仕事で様々な転職エージェントから話を聞いている実体験
- 実際の利用者の口コミ
をもとに作成した記事がありますので、ぜひご覧ください。
≫【最新版】信用金庫職員におすすめの転職エージェント!【無料】
僕は自分のペースでコツコツ転職活動したいよ!
というあなたには、転職サイトもおすすめです。
転職サイトについても、僕の経験や利用者の口コミからオススメのサイトを紹介しています。
こちらの記事を参考にしてください。
≫【最新版】銀行員・信用金庫職員におすすめの転職サイト!【無料】
まとめ
この記事の内容をまとめました。
- 信用金庫の顧客数や収益は年々減少している
- 給与も現状は平均以上だが、賞与については今後どうなるか分からない
- 今後についても不安な要素がいくつもあり将来性は無い
- 信用金庫にも良いところはあることを把握しつつ、転職活動をしてみることがオススメ
信用金庫に将来性はありませんが、良いところもたくさんあります。
それを理解したうえで、自分の考えに合った良い選択をしていきましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
コメント